気候変動情報

降水量

福岡地点、下関地点の100年あたり降水量及び飯塚地点の50年あたり降水量はいずれも有意な長期変化傾向はありませんでした。5年移動平均をみると、1950年代にピークがあることが特徴といえますが、この特徴は九州・山口県だけでなく、日本や世界全体でもみられます。

 

年最大日降水量

福岡地点、下関地点のいずれも有意な変化傾向はみられないものの、1950年代に比較的多い時期があります。

 

月降水量の異常多雨(少雨)の出現数

九州・山口県平均の異常多雨出現数の長期変化傾向には、有意な増加・減少傾向はありませんでした。出現数の経年変化をみると、1950年代に比較的多い時期があり、その後減少傾向で1970年代から1980年代前半までは少ない時期があります。1980年代後半から1990年代は再び多い時期となっており、年々の変動も大きくなっています。異常少雨にも、有意な増加・減少傾向はみられません。出現数の経年変化をみると、1930年代後半から1940年代前半と1960年代後半から1970年代前半に多い時期がみられます。

 

日降水量100mm以上及び1mm以上の日数

日降水量100mm以上の日数では福岡地点、下関地点のいずれも有意な変化傾向はありません。1mm以上の日数では、福岡地点、下関地点のいずれも有意な減少傾向があります。日数の経年変化をみると、1950年頃に多い傾向があります。

 

短時間強雨の発生回数の経年変化

九州・山口県の1976年から2018年の43年間の統計では、1時間50mm以上の非常に激しい雨の発生回数は、10年あたり11.2回、1時間80mm以上の猛烈な雨の発生回数は、10年あたり1.6回とそれぞれ有意な増加傾向がみられます。1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、1976年から1985年の平均回数(71.2回)と比べて、2009年から2018年の平均回数(106.8回)は約1.5倍に増加しています。

 

年最深積雪

「異常気象レポート2014」(気象庁、2015)では、北日本、東日本、西日本について調査され、東日本日本海側と西日本日本海側(九州・山口県の5地点を含む)で有意な減少傾向があると報告されています。九州北部地方平均の年々の値は、1980年代中頃までは500%を超える年もみられますが、それ以降は現れていません。5年移動平均では、1980年代の極大期から1990年代はじめにかけて減少しました。その後、1990年代後半と2010年頃には平年比のピークがありますが、2000年以降は減少傾向となっています。10年あたりの長期変化傾向は下関で27.0%の有意な減少となっています。