気候変動の影響と適応策

<イヌケホシダ>に関する気候変動の影響と適応策

影響

将来懸念される気候変動による影響

イヌケホシダ

  • 2031~2050年の分布適域は、中国地方・四国の高標高域を除く西日本全域が該当。
  • 構築した分類樹モデルを気候変化シナリオに適応した結果、分類適域に該当する地域は2031~2050年に1.6倍に、2081~2100年には2.0倍の面積となり、西日本では高標高域を除いて大半の地域が分布適域となる。
  • 九州・四国・紀伊半島・伊豆半島の地域では内陸部に予測された87.5≦WI<104.8℃・月の地域においては、夏期降水量が多い地域に分布し、104.8℃・月≦WIの地域においては、九州・四国・紀伊半島・伊豆半島の南部といった夏期降水量が多い地域で最も分布確率が高い。
  • 104.8℃・月≦WIの条件において、夏期降水量が1293.4mm未満の九州北部、瀬戸内海沿岸から滋賀県中部、東海地方から関東平野にかけての太平洋側地域、および山口県から富山湾までの日本海沿岸地域では、最寒月最低気温が-1.2℃を下回らない地域が分布適域であり、この条件下においては、冬期降水量が少ないほど分布確率が高い傾向が明らかとなった。

地域:西日本

特記事項:<気温条件を表す気候変数>

  • 成長期の熱量の指標:暖かさの指数(WI)
  • 冬期の低温の指標:最寒月の最低気温(TMC)

水分条件を表す気候変数

  • 成長期の水分条件の指標:夏期(5~9月)降水量(PRS)
  • 冬の乾燥や積雪の指標:冬期(12~3月)降水量(PRW)

温暖化後の気候データ

  • 気候統一シナリオ第二版(RCM20)

期間

  • 2031~2050年
  • 2081~2100年

現在と気候変化シナリオ2期間の気候変数の変化(平均値)

  • WI:88.7℃・月から109.5と129.6に上昇
  • TMC:-4.8℃から-2.5と-0.3に上昇
  • PRS:965.3mmから1078.9と1209.3に増加

PRW:398.1mmから404.4と420.1に増加

情報源

情報ソース
大学・研究機関
出典名
イヌケホシダの潜在分布域と気候変化シナリオに基づく分布変化の予測
作成時期
2008年6月28日受理