気候変動の影響と適応策

亜寒帯の自然草原植生域、 冷温帯の自然草原植生域に関する気候変動の影響と適応策

影響

将来懸念される気候変動による影響

30年後の平均約1.0℃上昇すると予測される時点

  • 九州では山地にあった亜寒帯の自然草原植生域は消滅する。

100年後の平均約3.3~3.8℃上昇すると予測される時点

  • 冷温帯の自然草原植生域の面積は、四国・九州あるいは紀伊半島からはほとんど消滅すると予測される。これに変わって亜熱帯の自然草原植生域は、九州・四国の低平地から関東南部の房総半島や伊豆半島の南部まで拡大すると予測される。

地域:九州

特記事項:農業環境技術研究所(1997)の温暖化時メッシュ気候推定値と井上・横山(1998)の最大積雪深の変化予測値を用いて、温暖化したときの自然草原の植生帯がどのように変化するかを見たもの。

自然草原植生帯

  • 亜熱帯域:コウライシバ草原やリュウキュウチク草原の分布する、暖かさ指数170℃・月以上の地域
  • 暖温帯域:シバ草原とネザサ草原の分布する地域で、暖かさ指数170℃・月を南限として、暖かさの指数で85℃・月以上で最大積雪深が40cm以下の地域
  • 冷温帯域:シバ草原とササ草原が分布する地域で、暖かさ指数が85℃・月と、最大積雪深が40cmの地域を南限とし、北限を寒さの指数が-35℃・月以上、最暖月の月平均最低気温17℃以上の地域
  • 亜寒帯域:寒さの指数が-35℃・月以下、最暖月の月平均最低気温17℃以下の地域

情報源

情報ソース
大学・研究機関
出典名
気候環境から見た日本の自然草原の植生帯区分とその温暖化による変化予測 (<特集>日本における自然草原の気候要因から見た植生帯区分とその温暖化による影響)
作成時期
2001年1月22日受理