気候変動の影響と適応策

水稲(気温・日射量等)に関する気候変動の影響と適応策

影響

既に現れている気候変動による影響

  • 播種盛期から出穂盛期の日数は1964~73年で107(九州)~119日(近畿)、1994~2003年で100(九州)~110日(中部)となり、40年間で2~15日間減少していた。
  • 気温と日射量の変化が気象生産力指数(Yw)に及ぼした影響は、1964~1973年で475(中部)から373㎏/10a(近畿)、1994~2003年で544(北海道・東北)から486㎏/10a(九州)の範囲にあり、中部以東で高い傾向が見られた。
  • 1999年の一等米比率と一等米比率期待値では、九州地方で出穂後10~30日の平均最低気温と日射量から説明できない一等米比率の低下が見られた。

地域:九州

特記事項:2005年に都道府県の農業関係公立試験研究機関を対象に実施した調査

将来懸念される気候変動による影響

  • 大気中CO2濃度が現在の2倍になったとき、現在の日射量は1~9%しか増加しないのに対し、気温は4~7℃上昇するといわれており、収量、一等米比率はさらに大きく低下すると考えられる。

地域:全国

気候変動適応策

作期の移動だけでなく高温耐性品種の育成や施肥法の改善など総合的な対策が必要不可欠である。

地域:全国

情報源

情報ソース
大学・研究機関
出典名
近年の日本における稲作気象の変化とその水稲収量・外観品質への影響
作成時期
2007年2月15日受理