気候変動の影響と適応策

人工林(スギ林、マツ林)、鳥獣害(シカ)に関する気候変動の影響と適応策

影響

既に現れている気候変動による影響

人工林

  • スギ林【報告なし】
  • マツ林【報告なし】

鳥獣害

  • シカ【食害が経年的に報告されている】

地域:全国

特記事項:<人工林>

自治体へのアンケート結果

鳥獣害

全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成29年)

将来懸念される気候変動による影響

人工林

スギ林(生育適域)

  • 気温及び降水量をもとに雨量係数(RI=降水量/気温)を計算し、生育適域の評価を行っている。現在と2050年を比較すると雨量係数(RI)の顕著な変化は見られない。

マツ林(マツ枯れ危険域)

  • 温暖化影響総合予測プロジェクトチーム(2009)による研究では、気温情報をもとにMB 指数という指標を算定し、その値をもとにマツ枯れの危険度に関する影響評価を行っている。マツ枯れ危険地域が2050年(RCP8.5)に内陸部に向けて拡大している。

シカ

  • シカの永続性コロニー形成モデルを用いて、ニホンジカの分布範囲の予測を行っている。将来の分布範囲を予測する際に、気候(4つのGCMと 1つの排出シナリオ)と土地利用(将来の土地利用変化)、さらに地形の 3 つの要素を用いている。 どのシナリオであってもニホンジカの広範囲の拡大が予測された。

地域:九州

特記事項:<人工林>

スギ林(生育適域)
雨量係数(RI)が小さいほど乾燥化によりスギ林の衰退が危惧される。RIが110を下回る地域は成長量の低下や衰退が発生する可能性が高くなる。RIが80を下回る地域はスギ林の衰退が顕著に発生する可能性が高くなる。

情報源

情報ソース
出典名
気候変動の影響への適応に向けた将来展望(平成31年3月)、農林水産省
作成時期
2019年3月